「金を売る」といっても、インゴット・金貨・K18のジュエリー・歯の詰め物では まったく別の市場です。ここを混同すると数万円単位で損をします。 まず自分が売るものがどれかを確認してください。
| 売るもの | 原則の持ち込み先 | 理由 |
|---|---|---|
| 地金商のインゴット(純金バー) | 製造元の地金商の直営店 | 公表買取価格がそのまま適用され、手数料も公表されている。査定で下がる余地がない |
| 地金型金貨(メイプルリーフ、ウィーン金貨ハーモニーなど) | 地金商の直営店 | 各社がコインの買取価格を公表している。地金より手数料が有利な場合もある |
| 他社ブランドの純金バー | まず地金商、断られたら買取専門店 | 協会会員・LBMA認定ブランドなら地金商で買い取ってもらえることが多い |
| K18・K24のジュエリー | 複数店で相見積もり | 公表価格が存在せず、店ごとに減額率が違う。1社だけで決めてはいけない |
| 記念金貨・アンティークコイン | コイン専門店 | 地金価値より希少価値が高いことがある。地金商に出すと溶解価値でしか評価されない |
1. インゴットは地金商の直営店が原則有利
地金商(田中貴金属工業、徳力本店、日本マテリアル、石福金属興業など)は、 毎営業日に店頭買取価格を1gあたりの数値で公表しています。 自社製のバーを直営店に持ち込めば、原則としてその公表価格がそのまま適用されます。 売却手数料も公表されており、事前に手取り額を計算できます。
つまり行く前に手取りが確定しているのが地金商の最大の利点です。 トップページとシミュレーターで、 今日どこに持ち込むといくらになるかを確認できます。
他社ブランドのバーを売る場合
各社とも他社製の金地金・プラチナ地金の買取に対応していますが、条件があります。 たとえば石福金属興業は「日本金地金流通協会の正会員・賛助会員メーカーおよび LBMA認定ブランドのうち当社指定のもの」を買い取るとしています。 徳力本店は「他社地金の買取金額は異なる場合もあります」と明記しています。
実務上は、買った店に持っていくのが最も確実です。 自社製バーであれば真贋確認が容易なため、断られる可能性も価格が下がる可能性も低くなります。 これは購入時の店選びが売却時にまで効いてくるということでもあります。
持ち込む前に電話で確認すべきこと
- その日その店舗で地金の買取を受け付けているか (直営店でも取扱日・取扱時間が限られる場合があります)
- 持ち込むブランド・重量が買取対象か
- 必要な本人確認書類と、200万円を超える場合のマイナンバー確認書類
- 支払方法(多くは後日の銀行振込です。その場で現金を受け取れるとは限りません)
- 海外製地金の場合、国内で入手したことが分かる書類(購入時の計算書など)の要否
2. 買取チェーンの「1gあたり◯◯円」表示について
街の買取店やチェーン店が広告で出している金の買取単価は、 当サイトでは意図的に掲載していません。理由は価格の性質が違うからです。
表示単価と実際の査定額が食い違う構造
- 表示されている単価は多くの場合最高条件での参考値です。 「K24・インゴット・状態良好・キャンペーン適用時」といった条件が小さく付記されています
- ジュエリーは減額の余地が大きい。石留めの重量控除、ロウ付け部分の除外、 刻印がない場合の品位ダウン、といった理由で表示単価から下がっていきます
- 店頭での「本日限り」「今decideしていただければ」といったその場での決断を促す運用が、 相見積もりを取る機会を奪います
- キャンペーンの適用条件(会員登録、他商品との同時売却、金額下限など)が その場で初めて示されることがあります
これは違法ということではなく、公表価格ではなく査定価格であるという構造の話です。 だからこそ、当サイトは実額データが存在しない買取チェーンのランキングを作りません。
買取店が不利だと言いたいわけではありません。 地金商が扱わないもの(ジュエリー、歯科金属、刻印のない製品)については、 買取店が現実的な選択肢です。使い方の問題です。
3. K18ジュエリーは相見積もりが基本
ジュエリーには公表価格がありません。したがって比較しないと適正かどうか分かりません。
- 売る前に自分で概算を出す。K18は金の含有率75%です。 総重量20gのK18なら金の量はおよそ15g。今日の金の買取単価が24,000円/gなら、 地金としての価値はおよそ36万円です。石が付いていればその重量を引きます。 この数字が交渉の土台になります
- 最低3社で見積もりを取る。地金商のジュエリー買取窓口、 チェーンの買取店、地元の貴金属商など性格の違う店を混ぜると差が見えます
- その場で売らずに一度持ち帰る。査定書をもらい、金額を書面で残してもらいます。 持ち帰りを渋る店、査定額を書面にしない店は避けたほうが無難です
- ブランドジュエリーは分けて考える。有名ブランドの現行モデルなら、 地金価値より製品としての中古価値のほうが高いことがあります。 その場合はブランド買取専門店のほうが有利です
上記の概算は品位(K18=75%)から計算した理論値です。 実際の買取価格は精錬コスト等が差し引かれるため、これより低くなるのが通常です。 目安としてお使いください。
4. 宅配買取の使い方
近くに地金商の店舗がない場合、宅配買取という選択肢があります。 石福金属興業は宅配買取サービスを設けており、地金商のなかでも対応が明確です。 一方、日本マテリアルは配送での購入に送料がかかるなど、 業者ごとに宅配の位置づけが異なります。
宅配買取で確認すべきこと
- いつの価格が適用されるか。発送日か、到着日か、査定日か。 金価格は日々動くため、これが手取りを左右します
- 送料・保険料の負担と、輸送中の事故の補償上限
- キャンセル時の返送料。査定額に納得できなかった場合の扱い
- 本人確認書類の提出方法
高額な地金を送る場合、輸送リスクと価格変動リスクの両方を負うことになります。 金額が大きいほど、店舗に持ち込むための交通費のほうが安く付きます。 地域別ガイドで最寄りの直営店を確認してください。
5. 売却時に必ず受け取るもの
計算書は捨てないでください 売却すると、取引者名・取引年月日・取引内容・金額が記載された計算書 (御計算書、売買計算書などと呼ばれます)が渡されます。 これは確定申告のときの根拠書類です。再発行できないと明記している業者もあります。 購入時の計算書とセットで保管してください (金を売ったときの税金)。