金の売り方・買い方ガイド

売買時の注意点

金額が大きいぶん、トラブルの被害額も大きくなります

1. 偽物のインゴット

金は密度が非常に高い金属(19.3 g/cm³)で、これに近い密度を持つ安価な金属がタングステン (19.25 g/cm³)です。この性質を利用し、タングステンの塊に金メッキを施した、 あるいは金の内部にタングステンを埋め込んだ偽インゴットが国際的に確認されています。 重さと見た目だけでは判別できません。

避けるための現実的な方法

  • 個人間取引・フリマアプリ・オークションで地金を買わない。 これが最も確実です。数%安く買えることと、全額を失うリスクは釣り合いません
  • 地金商の直営店で買う。刻印・ブランド・製造番号が確認でき、 同じ店で売り戻せます
  • 購入時の計算書を保管する。出所を証明できることが、後の売却時にも効きます
  • 手元にある地金の真贋が不安な場合は、地金商に持ち込んで確認してもらうのが確実です。 比重測定や超音波・X線による検査が行われます。 簡易的な比重測定は自宅でもできますが、中空部分に別の金属を仕込むタイプの偽造は 比重だけでは見抜けないことがあります

なお、地金商が他社製バーの買取に条件を付けているのは、この真贋確認のコストが理由のひとつです。 「どこで買ったか分からないバー」は売るときにも不利になります。

2. 訪問購入(押し買い)

自宅に業者が訪ねてきて貴金属を買い取っていく取引は、 特定商取引法の「訪問購入」として規制されています。 「不用品を回収します」「着物を買い取ります」と言って上がり込み、 貴金属の話に切り替えるという手口が問題になってきました。

知っておくべき権利

  • 不招請勧誘の禁止 — 消費者から要請を受けていないのに訪問して 買取の勧誘をすることは禁止されています。「近くまで来たので」は勧誘の口実にすぎません
  • クーリング・オフは8日間 — 契約書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、 書面により無条件で契約を解除できます
  • 引渡しを拒むことができる — クーリング・オフ期間中は、 売る約束をした物品の引渡しを拒否できます。業者はこの権利を告げる義務があります。 いったん渡してしまうと転売され、取り戻せなくなる可能性が高くなります
  • 書面がなければクーリング・オフ期間は始まりません — 契約書面を交付しない業者は、その時点で法令に反しています

訪問してきた業者への対応

訪問購入の規制の詳細は、消費者庁および国民生活センターの案内をご確認ください。 対象外となる物品もありますが、貴金属は規制の対象です。

3. 本人確認(犯罪収益移転防止法)

貴金属商は犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)の対象事業者です。 一定金額を超える貴金属の売買では、業者に取引時確認が義務づけられています。 これは疑われているということではなく、すべての客に適用される手続きです。

場面必要になるもの
店頭での売買(一般) 運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなどの本人確認書類
200万円を超える金地金等の売却 本人確認書類 + マイナンバー(個人番号)確認書類(支払調書の作成に使われます)
代理人が持ち込む場合 代理人自身の本人確認書類、委任状など。業者により要件が異なります
法人での取引 登記事項証明書、代表者・担当者の本人確認書類など。 適格請求書発行事業者でない法人からの買取を断る業者もあります
海外製地金の売却 国内で入手したことが分かる書類(購入時の計算書等)を求める業者があります

売却代金は原則として銀行振込になる業者が多く、その場で現金を受け取れるとは限りません。 必要書類と支払方法は、来店前に電話で確認してください。

4. その他、金額の大きい取引で注意すること

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